Familia

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こんにちは、riecoです。
 
 
私の勤め先(アパレル系)にはお直し専門のスタッフが常駐しています。
彼女達は年齢もさることながら、腕前に置いてもベテラン揃いですから
アパレル業界初心者で働きはじめた私は、数多くの教えを請い
接客での困り事もたくさん助けて頂きました。
 
昨春からのコロナ禍の影響でアパレル系の打撃も大きく
当然、お直しの依頼も減っていそうに思われる昨今ですが
仕事というのはある所にはあるもののようで
相変わらず忙しくされているブースにお届けものをした折
片隅に、お洒落なベビー服がスタンバイしているのが見えました。
 
 
みんなが知っているであろう
とても有名な高級子ども服ブランドの80cmサイズ
左肩にスナップボタンが並んだピンク色のトップスで
水通しした程度、新品同様の状態
 
 
制服やスラックス系の地味な色彩の中で一際目立つ
この可愛いのはどうしたの?と尋ねると
 
 
何でも、ひいおばあちゃんが選んで贈って下さったお洋服なのに
どうしても赤ちゃんの頭が通らず
でも、着ているところはどうしても見せてあげたいから
何とか直せないものだろうか?と
お孫さん夫妻が依頼に来られたとのこと。
 
 
話し終えた先輩は
幸せそうにひとつ、微笑みました。
 
 
エピソードのお裾分けを頂いただけでも幸せですが
自分の持つ技術とセンスで依頼を実現させられる機会は
仕事冥利に尽きるというもの。
痛いほど喜びがわかるし、尊敬でしかありません。
 
 
 
 
全世界に誇れる大きいものから
最小2名で共有できるものまで
規模も内容も、それはそれは様々だけれど
他人のハレの日を心から素直に喜べたなら
きっともっと、幸せは増えるのだろうな、と
素晴らしい音楽と弾けんばかりの笑顔に彩られた
晴れ舞台に相応しい式典に見入りながら思ったのでした。
 
使い古された言い回しはちょっと癪だけれど
これ以上ピッタリの言葉も、そう、ないと思う。

感動を、ありがとう。

それでは、また。